Vol.91 38年ぶりのアレのアレ その1

皆さんは40年近く何か一つを追い続けているものありますか?

私は小学生の頃から阪神タイガースを追い続けています。どうしてファンになったのかはっきり記憶にないのですが、毎日のように一緒に遊んでいた友人たちがファンだったからとか、所属していた少年野球のコーチが熱烈な虎党だったからとか様々説があります。が、どちらにしても間違いなくイバラの道を選択したことと後々思い知らされます(笑)

 

私の少年時代、阪神は暗黒時代と言われ最下位が当たり前。2年3年の話ではありませんよ!およそ15年負け続け笑われ続けるチームを毎年信じて応援し続けました。阪神が日の目を浴びるのはシーズン終了後放送される「珍プレー好プレー」。もちろん好プレーなんてありません(笑)珍プレーでは特別枠を作ってもらい「あんなエラーあったな。あの動きなんだったんだ。」など笑顔で振り返ります。そりゃ多少ひねくれた性格にもなりますよ(笑)

 

潮目が変わったのは初めてOB以外から監督を招聘したとき。名将野村克也氏がやってきます。

結果は・・・3年連続最下位!でしたが野村監督から学んだ選手が、次の星野仙一監督時代に躍動します。星野監督は血の入れ替えで金本選手や伊良部投手など大物中心選手を獲得し骨格を作りました。そこに野村監督に育てられた矢野捕手や赤星選手などの名脇役が組み合わさり2003年に18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げるのです。当時社会人2年目で苦しかったけど、おかげで頑張れました。

 

その流れを引き継いだのが岡田彰布監督。戦力を引き継ぎ2005年にリーグ優勝。以来安定的に優勝争いを続けるチームとなります。

しかし、毎年優勝争いを続けるものの2005年以来優勝には手が届かないんです。

 

なぜ優勝できなかったのか・・・私の考えです。

それは中長期的なビジョンがなかったためではないかと思われます。

 

後に記載する金本監督が就任するまで「ドラフト戦略」や「自前の選手を鍛える」といったチームの根幹が蔑ろにされているように思われました。それでも上位にいたのは「FA」や「メジャー帰りの選手」を毎年のように獲得したからでした。

 

たしかに安定した成績は残すのですが、ベテラン選手中心なので飛躍的に成績が伸びにくい。

チーム愛も欠如しているように見えました。(選手たちはそのつもりはないと思いますが)

 

実績ある選手たちなので調子が悪くても変えられない。スタメンの顔ぶれに生え抜き選手が鳥谷選手一人ということも少なくありません。

下からの突き上げはありませんし、若手は腐ります。安定はしているが爆発力がないため優勝という突き抜けた結果は出せなかったのではないでしょうか。ファンもモヤモヤしていました。

 

会社でもそうですが、中長期のビジョンや目標を明確にし、そのために今何をするのか。

健全な評価体系のもと各人が己を磨き切磋琢磨している組織は社員の方が生き生きとしています。

 

プロ野球だろうが企業だろうが同じですよね。今なら政治もそうかもしれません。

リーダーにビジョンがなくその場しのぎの言動を繰り返せば国民に伝わります。

 

阪神に話をもどします。決してFAやベテラン選手が悪いというわけではありません。チームとしてのビジョンを持ち、毎年入団してくる選手を大事にしたうえで、経験のある選手がチームにいる事はこの上ない戦力になり若手へのお手本となるのですが、大事な部分が欠落しているように見えました。

 

この流れを劇的に変えた人物。そして今年の日本一に最も大きく貢献した人物と私が思っている人こそが金本知憲氏です。

次回金本監督以降について考察していきます。

 

今回も読んでくださりありがとうございました。