Vol.89 イチロー氏の伝える力

「言いたいことをうまく伝えることができない」こう考える方たくさんおられますよね。

私も仕事柄言葉のチョイスには神経を使います。しかしどれ程神経使おうと毎日難しさを感じます。

 

先日、あるサッカーの指導者さんと話をしていました。

自律神経やモチベーションの観点から「ポジティブな声掛け」の重要性をお伝えしました。

すると「最近は何でもポジティブだの優しくだの・・・そういうのが大事なのはわかるけど練習は厳しくしないと成長しない」

 

ん?私は「ポジティブな声掛け」を推奨したのであって、厳しい練習を否定はしていません。

厳しい練習を前向きに効果的に取り組むための「ポジティブな声掛け」とお伝えしてもなかなか納得してもらえず。「最近の指導~」に嫌悪感と先入観があったのかもしれません。現在の力不足を感じ、また勉強するぞと力をもらいました(笑)

 

昨日、半年前に買ったまま読んでいなかったスポーツ雑誌をふと手に取りました。

元プロ野球選手イチローさんのインタビュー記事です。

現在イチローさんは年に数回、全国の高校野球部に訪問し2日間の指導を行う活動をされています。

2年前に指導した智辯和歌山高校がイチローさん指導後甲子園で優勝して話題になりました。

 

興味深いお話ばかりでしたが、伝える力について語られている場面があります。一部抜粋です。

「一緒に動けなくなったら僕がそこにいる意味が薄れてしまうという危機感を感じる」

ーイチローさんほどの言葉の力があれば(動けなくても)伝わるんじゃないですか?

「これからは僕が野球選手だったことを知らない世代が出てきます。言葉だけ投げかけても『この人、誰?』となる。だからもっと動けなければなりません。だから高校生と一緒に動ける身体を維持しなければならないと考えている」

 

イチローさんほどの方でも言葉だけでは伝わらないと。向こう何十年も身体を維持できるかはわかりません。でもこの誠実な姿勢を伝えられる側は感じ取るのだと思います。

この誠実な姿勢の基準をどこに設定するか?イチローさんは高校生と一緒に動ける身体。

伝えることに悩んでいる方はこの基準設定から始め取り組んでみるのもいいですね。

誠実な姿勢が言葉に宿り、それが伝える力となるはず。

 

奇しくも昨日10月22日はイチローさん50歳のお誕生日!勝手にご縁を感じております(笑)

 

今回も読んでくださりありがとうございました。